楽譜とコピー

夏バテをいいことに更新サボってました。
と言えない程度には笑えないくらい重症でした。
35度を超える日中でも妙な寒気があり、表面や頭は暑いのに体の芯は冷えて目眩がする。
そんな状況が1ヶ月近く続きました。
最近は涼しくなって(いうてまだ真夏日)落ち着いてきたので更新再開です。
今回は楽譜について思うことを書きます。

楽譜とは何か

というのは説明するまでもないかもしれません。
幼少期から音楽の教科書に乗っている、おたまじゃくしが並んでいるアレです。
音という曖昧な情報を記号化して記録したものです。
それ以上でも以下でもないでしょう。多分。
演奏の情報を記録した議事録と言っても差し支えないと思います。

記号化することで欠落する情報

会話は感情を乗せることができます。
心揺さぶられる演説を聞いた後、議事録を読み返すと

内容は至極普通なのに何であんなに心揺さぶられたんだろう・・・
でも改めて動画で見るとやはり素晴らしい

なんて経験したことないでしょうか。
会話を文字にすることで欠落する情報は多いです。
激昂している人のクレームを面と向かって聞くのは苦手でも、文字で読めば草生え散らかすってこともあるでしょう。
文字にすることで、そのときのリアルな感情は欠落するので、事務的に淡々と進めたい場合はむしろ好都合だったりします。
楽譜も同様だと思います。
ジミ・ヘンドリックスのワイルドさ、エディ・ヴァン・ヘイレンの躍動感、アレン・ハインズの色気などは、楽譜には書かれていません。
いわゆる表現力やグルーヴといった部分になります。
それは音楽において最も重要な部分です。

コピーと楽譜

楽器を演奏するうえで、技術の習得、演奏するための運動能力の向上は欠かせません。
そのために楽譜を活用することはとても有効です。
楽器初心者はまず曲のコピーからですが、いきなり耳コピなんてできたら、天才と呼んでいいかもしれません。
楽譜を見て、出る音を確認しながら一歩ずつ進んでいきましょう。
しかし、楽器歴も長くなってきているのに、いつまでも楽譜に頼ってばかりいては頭打ちになります。
本当に大切なことは、浴びるように音楽を体で受け止めて感じるしかありません。
楽譜に書いてないので。

楽譜と解釈

楽譜は、よく分からんものを無理やり小節で区切って拍に落とし込んで記号化する必要があります。
例えばブルースのビートは4拍目が強拍で頭ですが、曲自体は1、2、3、4の順番で流れていきます。
ビートが1拍前にずれていると言えばいいでしょうか。
しかし楽譜上は、4拍目を前の小節に記載し弱拍かつ一番最後、そして1拍目を強拍かつ頭として記載されています。
その楽譜を見た人は、耳で聞いた情報を無理やり楽譜から読み取った情報に解釈して、つまり1が強拍で頭として演奏してしまいます。
そして違和感を持ちつつも、技術で無理やり蓋をして楽譜通りに演奏してしまいます。
その先は地獄です。
聞いて感じる情報が絶対正義です。
頭を空っぽにして、その曲が持っているエネルギーを感じてください。
そのエネルギーを解釈で捻じ曲げないようにしましょう。

本当のコピー

必要なテクニックを身に着けて、フレーズをなぞれるようになってからがコピーの本当の始まりです。
曲のフレーズは、あらかじめ音符を配置しておき、それを楽器で音に変換したものではありません。
体の中から出てくるビート、グルーヴを音に変換したものです。
楽譜を見て演奏することとは、インとアウトが逆になります。
そのフレーズを弾いた本人が感じているビート、グルーヴを感じ取り、そのフレーズの成り立ちを理解することが本当の意味でのコピーです。
曲を全身で感じて、体を使ってグルーヴを掴めたら、細部までこだわり抜きましょう。
爆音にまみれて体を動かさないと分からないこともあります。
一旦楽譜を置いて、達人たちの体の動かし方までとことんコピーしてみましょう。
音と体がどうリンクしているのか、をいろいろ試してみましょう。
そして、気持ちいいと感じられれば、それが答えです。
気持ちいいことをやっていきましょう。

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