バックビートとは何か


その助走として、バックビートの解説をします。
まだあまり多くを語れるレベルではないですが、頭の中の整理も兼ねて、しゅんすけが認識していることを共有しようと思います。
シンコペーションについてはまた別の機会に。
ただし、これは2024年5月時点でのものなので、続けていけば新たな発見があり、見方が変わる可能性があります。

バックビートとは

ブルース、ゴスペルあたりの黒人音楽をルーツに持つ洋楽、主にロック、ジャズ、ヒップホップ、ファンクなどに見られるビートの出し方。
8分の4ビートであれば、2、4拍が鳴ったら下方向に沈み込み、そこを起点に次の1、3拍に繋げるイメージ。
小節単位で見ると、4から始まります。
1 & 2 & 3 & 4 & の取り方であれば、「&」が鳴ったら下方向に沈み込み、そこを起点にし、次の拍の頭に繋げるイメージ。
小節単位で見ると、これも4もしくは4の後ろの「&」から始まります。
起点にするというのは、下方向に体重をかけて沈み込み、次の拍が来るまで沈み込み続けるような感覚。
8分の曲では「ドッタンドドタン」ではなく「タンドッタンドド」、3連の曲だと「ドッタタータ」ではなく「タータドッタ」に聞こえます。
スネア、もしくはハイハットのアクセント部分が頭、つまり下方向に取り、バスドラが上方向に取るようになります。
というのが、私が感じているバックビートです。
Take the A trainのこの部分で、指パッチンでビートを取ってる人がいます。
https://youtu.be/cb2w2m1JmCY?si=ug9kb0LyxHvmPN9R&t=72
指を鳴らしているところが起点です。

と、いろいろ説明しましたが、感覚を言語化してもちゃんと共有できているかは分かりません。
続けていけば、最終的に、頭の中から小節線と数字が消えて上下左右、重い軽いといった感覚の世界になります。
これができれば、ロック、ジャズ、ブルース、ヒップホップなんでも来いな状態になります。
ただし、テクニック、知識的な上積みはないので、今できる範囲で何でも来いになります。

・楽譜などで解説

2、4拍で取ることと何が違うのか

メトロノームを2、4で鳴らして、そこに合わせる。
という練習をよく見かけます。
私もやってました。
実はこれ逆効果です。
この練習で鍛えられるのは音ゲー力です。
未来からやってくる点に対し、タイミングを合わせて上からちょんとタップするような感覚になります。
そうすると、2、4拍が跳ねてしまい、ほぼ空中に浮いている状態になります。
そのため一瞬着地する2、4拍が僅かでもズレると、とても不安定な演奏になってしまいます。
対してバックビートでの演奏は、2、4拍の頭から次の拍まで下向きに線が引かれていて、その線をなぞる感じになります。
そのため、多少のブレは包容してくれます。
少々もたついてもレイドバック、突っ込んでもプッシュと言われ、むしろそれが心地よいと感じる人も多いです。

練習方法

私が実際にやって効果があった練習をいくつか紹介します。
ひとまずの目標は

4拍目を頭として感じる
4と1、2と3を一つのまとまりとして感じる

です。

練習時の注意点

バックビート、興味あるし、いい機会だから取り組みたいと思っている人への注意点として、これまでできたものができなくなる可能性があります。
邦楽、クラシック、メタルでこの現象の発生がままあるかと思います。
実をいうと先日バックバンドで参戦したライブでは、石畳の緋き悪魔、Get the rigret overは大ピンチでした。
簡単なキメが弾けない、という現象が発生しました。
そのため、バックビートの練習をライブまでの半月間中断し、ライブ後に再開したらかなり後退していました。
慣れればバックビートのままで無理やりノンバックビートの曲もできるらしいので、まだまだ精進が足りません。
そんな状況下での奇縁ロマンスは癒やしでした。

また、練習している期間は、可能であれば邦楽全般とクラシック、クラシックをルーツに持つ曲に触れないようにしてください。
ジャズならええやろ、というノリで日本人がやってるジャズを聞くのもNGです。
洋楽、特に黒人の演奏するブルース、ジャズ、ファンクあたりをしっかり聞いてくさい。
できれば、古典レベルのシンプルな曲、ジャズスタンダートがいいと思います。
古い曲なんて聞いてられるか!という方は、ビルボードに並ぶ洋楽やK-Popをオススメします。

メトロノーム

簡単なリフやコードを、メトロノームを使って練習します。
8分の4ビートであれば、2、4拍で下に沈み込んでからメトロノームを1、3拍で聞きます。
そのとき必ず4を頭にします。
3連の曲は、2、4拍頭で下に沈んでから1、3拍の3つ目の音でメトロノームを聞着ます。
ギターであれば、2、4拍のダウンピッキングで下に沈んでから、1、3拍の3つ目のアップピッキングでメトロノームが合う感じです。
自分以外が出す音をどう聞くか、という練習です。

スーパーベーシスト、ヴィクター・ウッテンもやってます。
https://www.youtube.com/watch?v=9X1fhVLVF_4

・動画撮影して紹介

walk the dog

おかあさんといっしょでお馴染みの「こぶたぬきつねこ」は、実は完璧なバックビートの曲です。

しかし、なぜか演奏や手拍子は1,3です。

れをメトロノームの練習に取り入れました。

カウント

曲を始めるときのカウントの取り方を練習します。
ドラマーがやる「1、2、3、4」のやつです。
あんなん練習いらんやろ!
なんて侮ってはいけません。
バンド全体の一体感、うねり、いわゆるグルーヴはそこで決まると言っても過言ではありません。
まずスティックを鳴らさず、4を取って体を下に沈ませます。
ここが頭になります。
体を起こして1を鳴らし、2を鳴らしてから体を沈ませ、体を起こして3を鳴らし、4でスネアを1発叩いてから体を沈ませます。
そのまま8分の4ビート(一般的に8ビートと呼ばれているもの)を冒頭だけ少し叩きます。
ただし、体を起こしながらバスドラを鳴らし、スネアを鳴らしてから次のバスドラを鳴らす体制に入るまで体を沈ませ続けてください。
あくまでスネアが頭です。
スティックがないなら手でもいいです。
ドラム叩けないならカウントだけでもいいです。

「沈ませる」の部分は、頭を左下に振るイメージでもいいと思います。
いやむしろその方がいいかも?

既存曲のメロディを無理やり1拍後ろにずらす

おそらく、これが一番効果あったかもしれません。
4拍目を頭に感じる、というのがひとまずの目標なので、どうしても1拍目が頭に感じてしまい動かせないなら曲の方をずらしてしまおう、とういう発想です。
そうすれば、頭として認識しているところに曲の4拍目が入ってきます。
コロンブスの卵的なアレです。

私がやった曲はEarth Wind and FireのSeptember、それとChikのLe Freakです。
他には日本の童謡も効果を感じました。
かごめかごめ、通りゃんせ、ちょうちょなど、多くの人に馴染みのある歌で、1,3拍頭が染み付いていると思います。
しかもメロディがシンプルで歌いやすいので、この練習にとても向いています。
頭の中や体を動かしてカウントを取りながら、歌メロやリフ、目立つベースラインなどを無理やり1拍後ろにずらして歌ったり弾いたりします。
拍を取る方向を矢印で表して、かごめかごめを例にすると、
普通に取ると
か↓ー↑ご↓め↑か↓ご↑め↓ ↑
になるところを
か↑ー↓ご↑め↓か↑ご↓め↑ ↓
にしたいので、
1↓,2↑,3↓,4↑,1↓,か↑ー↓ご↑め↓か↑ご↓め↑ ↓
となります。
最後の↓はとても大切な休符なので、全力で下に取りましょう。

拍の感じ方が真逆になるので当然すぐにはできません。
なので、打ち込みで作るのが手っ取り早いです。
いずれにしても、拍の音価(拍価?)を感じ取ることが重要です。
4拍目が頭、2,4が強い、下、重い、1,3拍が弱い、上、軽いです。

体を動かす

ボーカルなど楽器を演奏できない方は、海外のスーパーダンサーのダンスを真似るのがオススメです。
私はThrillerのゾンビダンスを真似ました。
もちろんダンスなんてやったことありません。
スネアが鳴ったら下に沈むことを意識して真似てください。
スネアが鳴る直前の予備動作も極力拾ってください。
沈んだところから次の拍に向けて進んでいくイメージです。
一見上に取っているように見えても、脚で下に取っていて、その反動で上半身が上方向に動いてる場合もあります。
Thrillerでは常に下方向に取っていて、上方向に取ることは殆どありません。

それと、やはりビートは体で取るもの。
世界的なプレイヤーの動きを真似して、ビートをどう感じているのか、どうグルーヴしているのかを感じ取りましょう。
特に頭、アゴ、肩、肘、手、腰、脚、足の動きはとても重要です。
つまり全身舐め回すように観察しましょう。

さいごに

しゅんすけを知っている人であれば、あまり動かないギタリスト、という印象があると思います。
あれは動かないのではなく、動けなかったのです。
体の中に流れるビートと、耳から入ってくるビートが噛み合ってなかったのだと思います。
練習を続けていたある日、突然バックビートを感じ取れるようになったのですが、そのとき
「もしかしてこれ、動ける?」
と感じて、恐る恐る弾きながら動いたら、がっちり噛み合った感じがありました。
バックビートはハートビートです。
みんなバックビートを取れるようになってくれると嬉しいです。
一緒にVan Halenをやっていきましょう。

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